「もくじ」に戻るでござる


作図問題1  2000.5.23



 数学の世界では、作図問題というジャンルがあります。
よいこのおともだちも学校でやったことがあると思いますが、コンパスと定規を使って、いろいろな図形を描くというものです。
三角形、角を二等分する、垂直二等分線を描く、平行線を引く...など、いっぱいあります。

 この作図のルールは、

(1)コンパスと定規だけを使う
(2)コンパスは円を描くことのみに使い、定規は直線を引くことのみに使う

 古代ギリシャの時代からあった古ーい学問です。ちなみにギリシャの3大作図問題というものがあります。

    a)与えられた角を三等分すること(角の3等分問題)
    b)立方体の二倍の体積をもつ立方体の一辺を作図すること(立方体倍積問題)
    c)円と等積な正方形を作図すること(円の正方形化問題・円積問題)

 学者や、数学マニアのおともだちが、みーんな挑戦しては敗れていったという問題ですが、19世紀になってから作図不能であることが証明されたんだそうです。
ikuro's Homepageの数学コラム「不可能の証明」

図形の問題って、数学っていうよりパズルに近いので、ヒマなときにやってみると楽しいかもしれません。(いろいろな問題を解いてみたいというお友達は、「数学の部屋」にどうぞ。)

(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)

 さてさて、今回は「コンパスと定規だけを使って、キティさんを描いてみよう」という問題に挑戦してみることにしました。
 
1.縦線と横線を引きます。
  (垂線の引き方はわかるよね?)

2.交点を中心とした円を描きます。(左図の赤い円)
  (この大きさが、ほぼキティさんの顔の大きさになります)

3.横線と赤い円との交点を中心とした円を描きます。(ピンクの円)
  半径は赤い円と同じです。

4、補助線を4本引きます。

 4−1 赤い円とピンクの円の交点を結びます。

 4−2 赤い円と縦線との交点から、(4−1)で引いた線と横線との交点を通る
      線を引きます。(ややこしいなあ(^^;)

5、いま引いた補助線の交点を中心とし、赤い円に内接する円を描きます。(緑の円)
  (つまり、赤い円の半径の半分の円ですね)

6、4で引いた斜めの線の交点を中心とし、(5)で描いた円(緑の円)に内接する円を描
  きます(水色の円)。

7、ここでまたまた補助線を引きます。
  (4)で引いた補助線(縦線)と、赤い円、緑の円との交点を、左図のように結びます。
  横線は、赤い円に交わるところまで伸ばしておきましょう。
8、(7)で引いた補助線の×の交点を中心とし、横線と赤い円との交点を通る円(青い円)を描きます。

9、つづいて、最初に描いた補助線と、(6)で描いた水色の円との交点を中心とし、赤い円とピンク円
  との交点を通る円(茶色の円)を描きます。
  

10、余分な線を消すと、あら不思議、キティさんになってしまいました。ふっしぎー♪

...これでやっとキティさんの顔の輪郭が描けました。
なお、最後の出来上がりの状態を頭においておき、円弧の必要な部分だけを描くようにすれば、あとで消す手間が大幅に減るというものです。

 あとは、目鼻をつけて、おヒゲ描いて、耳リボンをつければ完成ですが、それは次回のおたのしみ...

000.5.23公開「作図問題1」 
「もくじ」に戻るでござる